ヨルシカ ただ君に晴れ

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”なんで飛び出したんだろう”

”なんで泣いてるんだろう”

涙が溢れて頬から伝っていく。

海の波に映る月が爆ぜるように消えた。

帰りのバス停の裏を見ていれば懐かしい君との日々を思い出す。

ただそれだけなのに...

 

青空に映える鳥居、青空に浮かぶ白い雲。

やはりこの景色、匂いが夏なんだなと肌で感じる。

高校生の僕は大人になるために背伸びしていた。

いつものように遊びいつもの帰り道。

陽が暮れ始める今いつものバス停で空を見た。

今日君は引っ越すことを僕に伝えてきた。

夏が過ぎるほど時間がたっても今日君と遊んだことををきっと覚えているだろう。

 

頭の整理ができないまま大人になった。

君のポケットにあるスマホは一瞬光りすぐに暗くなった。

君のスマホの通知には「好きだよ」の文字。

このことを直接伝えれないのなら、僕はずっと一人だな。

それでもいい....

ただ諦めているそれだけだ....

 

数年経った夏。

あの頃の乾いた雲や咲いている山桜桃桜、いつものバス停の錆びた標識。

僕の頭の中にはいつもあの頃の夏の景色、匂いがある

テレビを見ていると

「写真なんて紙切れだ」

「思い出なんてただのゴミだ」

テレビに映る共演者は納得していた。

僕は分かんなかった。

君との思い出はただ過去の出来事それだけだと考えていたのに...

分からなくて何も言えなかった。

そんな中ある授業のワンシーンが頭をよぎる。

「絶えず君 いこふ夏野の 石一つ」

絶えずそこを通る人がそこに腰を下ろして、しばしの憩いを取る石という意味だ。

先生の言葉を適当に聞いていたのになぜ覚えているのかも分からなかった。

ただ僕は憩いの石がバス停に思えてしょうがなかった。

 

目の前の事に目を向けず大人になってしまった僕。

君が思うまま笑ってくれ。

僕は家を飛び出し陽の落ちる坂道を駆け上った。

後ろには僕らの影が大きくなっていた。

 

目の前の事に追いつけないまま大人になってしまった。

君のポケットにあるスマホが光りすぐに暗くなった。

スマホの通知には「好きだったよ」の文字。

口で言わなくても僕たちは一つだ。

それでいいだろ......      もう........

君との思い出を噛みしめながらいつもの夕日を見ているだけだ.....

涙が頬をつたった。

 

最後まで見てくださりありがとうございます。

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