カンザキイオリ 告白

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君に思いを伝えて数か月後。

僕は一人で歩いていた。

学校から家への帰り道。

 

知らなかったらいいことがある。

それまではそう考えていなかったのに。

今日廊下で見た幼馴染の君の笑顔。

その隣には君と一緒に笑う見知らぬ男の姿。

今更後悔しても変われるわけでもない。

君の事が大好きだったのに。

その事実知らず伝えたことには別に後悔はない。

伝えた日から一度も話せれてないな。

いや、君の顔さえ見れてないままだ

もしあの瞬間に戻れたら伝えずにいたんだけどな。

今更だけどあの時を忘れてしまいたい。

あの時から前を向いて歩けてない僕を笑ってくれ。

もう一度だけ君と会えたら明日遊ぶ約束をしようかな。

 

就寝前、また君のことを考える。

生まれ変わってまた君に会えたら少しは君から愛されたかな。

明日が卒業式。

これで僕らはお別れなのかな。

君の顔さえ見れないのにこんなこと考えるなんて。

さいころ君と結婚するという約束したんだけどな。

その思い出話さえ話せれないままでただ日々が過ぎていく。

また何度でも思い出してしまう。

君と笑いあえたあの頃の思い出を。

あの時何もいわなかったら明日の卒業式が楽しみなのに。

卒業式当日。

思ったよりも早く式は終わった。

けどいつも僕の頭には君の笑顔がこびりついている。

これで僕らはお別れなのさ。

あの頃に戻るなんて出来やしないのに。

小さなころ約束をした約束だってうまくしゃべれなかった日々も君の事が好きだった。

君のすべてが好きだったんだ。

君と話すこと無くそそくさと家へ帰る。

忘れてしまうなんてできない。

歩けない僕を笑ってくれよ。

もう一度君に会えたらもう一度だけ言わせてくれ。

思い出のすべてが通り過ぎてその続きを嘆いた。

あの頃は君の声も心も優しさも笑顔も僕のものだった。

いつの間にか僕は足を止まらせていた。

逆方向を向き、君のいるはずの学校に走り始めていた。

 

最後まで見てくださりありがとうございます。